デート

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自動ドアが開く。びくっとしてしまう。 いざとなると小心者の自分がイヤになる。 (なんて言おうかな。なんかお礼の品でも持ってきたほうがよかったかな。) 『ご注文は?』 『へっ…オレンジジュースください』 『ごゆっくりどうぞ』 カップを渡されて、席に座り、店内を見渡す。カレは……来た! ほかのテーブルを拭いていたカレがあたしのテーブルへ近づいてくる。 『あの…』 『おはようございます。二日酔いですか?』 『えっ?どうしてわかるの?顔ひどい?』 慌てて鏡を出そうとするあたしの手を優しく止めた。 『ちがう、ちがう。オレンジジュースの日は二日酔いでしょ?!』 カップを指さして言った。
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