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7時ー
西沢さんと飲む場所は決まっていた。
いつものイタリア食堂。
飲み物もご飯もデザートもおいしくって、マスターもいい人…いつもいりびたっていた。
入り口を開けるとマスターの甘い声。
『さとちゃん、西沢さんおまちかねだよ』と教えてくれた。
『ごめんなさい。時間外にすいませんって坂部が帰り支度してるのに色々聞いてきちゃって…。』
『マスター、グラスちょうだい』
そう言ってワインをつぐ。
おなかもいっぱい、ワインを飲んで心もぽかぽかしてきたころ、
『そう言えばなにやっちゃったの?』
『?…あぁ!忘れてた。
あたし無銭飲食するとこだったんですよ。いつものように朝コーヒー飲みに行ったら財布が入ってなくって、バイトのお兄ちゃんにおごってもらっちゃったんですよ』
『ははっ!笑える~、完璧な石居さとちゃんにも抜けることがあんのね。っていうか、ここのお金はどうするつもりだったのよ。』
『わすれてた~、明日返すから貸しといてください』
『利子、高くつくわよ』
結局優しい西沢さんがごちそうしてくれることになり、マスターにごちそうさまを言って店をでた。
『酔っぱらい運転大丈夫?』
『住宅街抜けていくから大丈夫ですよ』
そういってペダルに足をかけた。
その後の記憶は…ない。
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