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気がついたら、僕は事務室のような場所で眠ってた。
「ふぁ・・・」
あくびをして周りを見回していると、カードキーの認識音が聞こえて扉が開く。
「目、覚ましたか?」
「ん・・・。」
入ってた人物の問にコクンと頷き顔を上げると、高校二年生の男子学生が何時の間にかすぐ近くでマグカップをもって膝立ちしていた。
高校二年生と断定できるのはネクタイの色で学年が分けられているのと、金に空色のピンを襟につけているからだ。
一年は赤。二年は青。三年は緑と言ったようになっていて、特別生は金の校証ピン、普通生は銀の校章ピンに、中高それぞれのカラーラインが付けられてる。
「お前、外のベンチで寝てたぞ。」
「あぁ、やっぱり・・・あ、それと、あの・・・僕を運んできてくれたのって・・・」
「ここの副会長だ。」
「そうなんですね。」
暫くの沈黙。
僕は人と喋るのが苦手な方だけど、やっぱり沈黙は気まずい・・・
そう思って話題提示をしようかと口をすこし開いた時。
「・・・お前ってさ。一年で首席の白蘭 冬(ハクラン フユ)だよな?」
え?
なんで名前知ってるんだろ。
「資料に目を通したとき、お前の顔が載ってた。ただ照らし合わせただけだ。・・・俺は生徒会会長だ。一応覚えといた方がいいぜ?」
そう言ってどこか自信ありげにニヤ、と笑う。
・・・いい人なのか自己中なのかわかんない。
まあ、いっか。とりあえずここがどこか、理事室はどこか聞かないと。
そう思って再び口を開きかける。
会長「ここは生徒会の部屋だ。お前と俺、理事に呼ばれてるからいくぞ。」
・・・テレパシーかなんか使ったの?心が読めるの?
・・・偶然ですね分かります←
会長「目の動きで分かる。ほら、早く行くぞ。」
冬「はい。」
そう言って立ち上がろうとするが、立ち上がれない。
会長「どうかしたか?」
冬「ぅ・・・あ、足が、痺れ・・・ました。」
そう言うと、会長はため息を吐いて僕をひょいと抱き上げる。
冬「ぇ?!」
奏「大丈夫だ。落としたりしない。それにお前軽いから。」
そういう問題じゃない気がする!
・・・でもどうあがいても離してくれなかったため、お姫様抱っこのまま外に出た。
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