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冬「会長・・・さん。」
奏「敬語じゃなくていい。どうした?」
外に出てきて、今現在人の波を会長が突き進んでいます。
まぁ、人の波は親衛隊(しかも全員男子)みたいなんだけどね?
冬「嫌です・・・敬語で。周りの視線が凄く痛いので降ろしてください・・・」
奏「敬語だから嫌だ。それと降ろしたら一瞬で餌食になるぞ?」
冬「・・・大丈夫です。そこらへんは自分で対処します。」
だって武術は得意だし。
奏がため息を吐いたが、少しニヤリと笑って僕を真っ正面から見る。
絶対なんか企んでるよ会長!
奏「じゃあ、『奏、降ろしてくださいニャン』って言ったら許す。」
ほら、ね?僕の予想通り・・・って、
冬「ふぇ?!」
えぇぇぇぇぇ?!?!
な・・・にその条件・・・
っでも!視線がもはや死線になってるんだし・・・
こうして数秒間迷いに迷った結論。
一瞬!一瞬だから頑張れ僕!
というわけで・・・
冬「そ、奏・・・?」
さん付けしそうになるのを堪えて
奏「ん?なぁに?」
立ち止まって、優しい声、綺麗な微笑みで首を傾げる。
冬「ぉ、降ろして、くださぃ・・・ニャ・・・?」
恥ずかしさで最後のンが消え入り、顔に熱が集まっていくのが感じられる。
「ぶはぁっ!!」
それと同時に周りの風景も赤く・・・
なんて思ってる間に奏は僕を抱いたままレインコートを0.3秒で着て思いっ切り走る。
・・・背景がホラーです。
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