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「しゅ・・・う。」
不意に書記の坂義 瑠衣(サカギルイ)が僕の制服の裾を横から引っ張って来ました。
彼はこの中で一番静かであり、気を許せる相手です。
それに他のメンバーよりも面識があって話しやすいので、瑠衣の言いたいことを他のメンバーに伝える事も少なくありません。
秋「何ですか?」
瑠衣「そろ・・・そろ・・・転入・・・来る。」
あぁ・・・そう言えば今日は転入生が来るんでしたね。
仕事に集中し過ぎて忘れるところでした。
「分かりました。教えてくれてありがとうございます。」
お礼を言って奏と淳にも伝えると、案の定僕と同じ現象が起こっていました。
奏「マジか!」
淳「しかも、それって8時半に広場へ迎えに行くんやろ?・・・今もう8時20分や!」
秋「ここからダッシュして親衛隊に捕まらなければ5分も掛からないはずです。急ぎましょう!」
僕はそう声を掛けながら春とは言えども僕にとってはまだ肌寒いため、薄手のコートを羽織る。
・・・寒がりなんです、気にしないで下さい。
それにしても・・・
難問を全て解いた転入生はどんな人でしょうね・・・?
ふとカバンの下に見えた資料に写る無表情に黒髪黒目青フレームの眼鏡をかけた少年と、書かれている白蘭 冬綺という名前を見つめる。
・・・どこかで見たような気もするんですが・・・
今はこの人を迎えにいくこと優先、後で考えることにします。
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