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ー坂義 瑠衣sideー
「っはぁ、はぁ・・・」
くるし・・・
自分のペースで走れば良かった・・・。
そう思いながら視線を巡らせていると、ベンチに座っている人を見つけた。
誰だろ?
そう思って近づくと・・・
「!冬・・・?」
髪色とかも違うし、眼鏡をかけているけど、確か俺がプレゼントした伊達眼鏡だ。
『僕ね、日本に帰れるかもしれないんだ!』
結局帰ってこれなかったけど、留学して父さんの病院見学をした時、俺にそう笑顔で告げた冬。
日本に来たんだ・・・!
起こそうかと思ったけど、やめた。
七分袖のシャツから除く絆創膏の位置が、ちょうど注射針を刺す位置に貼られていた。
(ちょっと前まで、病院にいた・・・?)
病院にいる時も、弟のような存在だった冬。
僕の事を覚えてくれているかな・・・?
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