二十三話

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薄いその唇は水仙に似た薄ら笑いがとても似合っていた。 「久しぶりたい、水仙~……」 見惚れている間も短く水仙似の男性は当たり前の様に水仙に抱きつく。 「お、おじさん……ちょっと。太陽見てるって……」 何がなんだか分からず固まっている太陽を指差すとマイペースに「あ、ごめん」とゆっくり手を離した。 「あ……水仙……この人…………」 「俺と姉貴のおじさん。親父の弟」 たまに話には出てきていたがこの人が。 ニッコリ笑う男性は、やはり水仙に似ている。 十年後の彼はきっとこんなかんじだろう。 「初めまして、天葉 土筆(あまは つくし)三十八歳。独身ね。 兄弟に綺麗なお姉さん居たら紹介して」 イタズラっぽく笑った彼になら難しい性格の蒲公英等を癒すことす可能かもと感じる。 「あっ、俺 天葉くんの友達の道井 太陽です」
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