二十三話

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「で、おじさん。何の用でこっちに」 土筆の少し垂れ気味の碧眼が少し見開いた。 「え? たんぽぽに聞いてないのか アイツの婚約者連れてきたんだ」 『婚約者』その時、太陽の中で何かが飛んで行ったような、消えたような……そんな表情をしていた。 「おじさん!」 「え?」 慌てて口を塞いでも、もう遅い。 しっかり聞いてしまった。 ――婚約者……何それ、二ヶ月で婚約とか。 もしかして俺、二股かけられてたの 「太陽!」 水仙の声と一緒に頬に痛みを感じで少し遅れてパシッと言う音がきこえた。 あ、俺叩かれたんだよな……何かよく解んない。 …………婚約者って。 「太陽っ戻ってこい」 水仙にがくがく肩を揺らされ何とか正気を取り戻す
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