二十三話

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茶色の髪がなびいて踊るように舞う髪の向こう。 彼女の婚約者はいた。 「あ、天葉 蒲公英さん……ですよね 初めまして、僕……猫乃間 聡(びょうのま さとい)」 目の前彼は二メートル近い長身。 細身で筋肉質な身体に不似合いな程小さな顔。 猫乃間……まさに猫を思わせるややつり上がった目と短く三角形の眉。 ふわふわとしたネコ毛。 蒲公英と同じ茶色の髪によく栄える黒いスーツ。 「……びょう、のまさん……お話は聞いています……あの、おじは」 首がつるほどの身長差。 ――本当にこの人と結婚するのか……実感わかないな。
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