二十三話

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「そんなことより……」 蒲公英の手を優しく包むと、腰を低くし、顔の前まで引き寄せる。 「本当に僕でいいんですか?」 子猫の様な瞳が酷く悲しそうに潤んでいる。太陽の仔犬に似た形相と重なり、手を握られてるのもあるが、顔が赤くなる。 「学生とは聞いてましたが、まだこんな綺麗な方……他に好きな人とか」 第一印象は大きい。 第二印象は太陽くんに似ている。 何か複雑……割り切れない自分が情けなくてしょうがない。 良太くんとも何かあやふやに別れてしまったし。 色々けじめをつけないと……
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