85人が本棚に入れています
本棚に追加
土筆が手を離した瞬間、勢いよく息を吐いた。
二、三度咳き込むと一旦落ち着いてから土筆の方を見る。
「おじさん、何するんですか!
鼻つまってたら死んでますからね俺」
「いきなり悪かったな。でも、お前が悪いんだよ」
かたや、死にかけたは言い過ぎだが命に多少の危機があったのに「お前が悪い」?
少しイラついたように眉間にシワがよる。
「俺が何したって言うんですか!
完全におじさんの方でしょ」
すると土筆はやれやれと言った表情で家の影を指差す。水仙へ見ろとうながす。
「……彼や蒲公英の気持ちを考えてみなさい」
家の影には太陽が小さくうずくまっていた。恐らく今までの会話をきいていたのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!