二十四話

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ひとまず婚約は取り止めになりそうだ。 だけど、姉貴は認めないだろうな 「やめて下さい」 番号を押すその白い手を遮ったのは太陽だった。 「太陽……何だよお前、姉貴があの男と結婚してもいいのかよ」 「違うよ。 好きだから……中途半端はやなんだ」 全く意味が分からず首を傾げる。好きなら逆に止めないだろ。 「ますます、意味わかんねーよ」 「水仙、ちょっと黙りなさい」 ピシャリと軽く土筆に怒られ不満げに口を閉じた。そんなやり取りを微笑ましくすら思える。 「道井くん……それはどう言う」 「俺、正直怒ってます。 俺自身が嫌で別れたなら理解できますけど、今あったばっかの男と結婚とか」 ――蒲公英にフラれた後の二ヶ月本当に最悪。 あの二ヶ月でどうにかしてれば。
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