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ひとまず婚約は取り止めになりそうだ。
だけど、姉貴は認めないだろうな
「やめて下さい」
番号を押すその白い手を遮ったのは太陽だった。
「太陽……何だよお前、姉貴があの男と結婚してもいいのかよ」
「違うよ。
好きだから……中途半端はやなんだ」
全く意味が分からず首を傾げる。好きなら逆に止めないだろ。
「ますます、意味わかんねーよ」
「水仙、ちょっと黙りなさい」
ピシャリと軽く土筆に怒られ不満げに口を閉じた。そんなやり取りを微笑ましくすら思える。
「道井くん……それはどう言う」
「俺、正直怒ってます。
俺自身が嫌で別れたなら理解できますけど、今あったばっかの男と結婚とか」
――蒲公英にフラれた後の二ヶ月本当に最悪。
あの二ヶ月でどうにかしてれば。
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