二十四話

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猫乃間と二人きりにされ、そろそろ話題が尽きる頃。 蒲公英は困惑していた。 ――私の人生、いったい何なんだろ。 両親も子供の頃に亡くしてまた、大事な人を失って……―― 「テレビ……つけましょうか」 「あの、天葉さん」 蒲公英がテレビのリモコンを取ろうと立ち上がると、フラッと急な立ちくらみが彼女を襲った。 そのまま重心が後ろに移動し、視界がドンドン天井へと移ろぐ。 「大丈夫ですか?」 倒れた。と思った瞬間、不思議な浮遊感に襲われる。 薄すら柑橘系の爽やかな香り漂うそこは猫乃間の腕の中だった。 余裕で収まる猫乃間の体は酷く熱かった。 細く長い猫乃間の腕がガッチリと蒲公英の細身を自身へ引き寄せている。 フワフワと錯覚に近い二人だけの空間は蒲公英の携帯の着信にて無惨に壊される。 「あの……びょ、猫乃間さん」 今まで無抵抗だった彼女が腕を押し退け、さすがに焦って腕を離す。
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