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「ごめんなさい。別れて下さい」
無駄に広く、必要最低限の家具しかない部屋に無情に響く声。
大きな碧眼に絹の様に滑らかな茶色の腰まで伸びた長い髪。
彼女の整った顔は美しい人形を思わせる。
そんな形も良く艶っぽい唇から『別れ』の言葉を発したのも彼女。
天葉 蒲公英(あまは たんぽぽ)。
そんな蒲公英の視線の先にいるのはふっくらしたシルエット。
「え、ちょっ……
冗談……だよねぇ」
蒲公英に別れ話を持ち掛けられ、子供のように大きな目をさらに大きく見開きポカンとした表情の少年……とも見える小柄で童顔な青年。
道井 太陽(みちい たいよう)。
今、彼はこの世の終わりを感じていた。
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