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一人、静かになってしまった部屋。広すぎるこの部屋は太陽が蒲公英のために借りた部屋だ。
「うう……。
たん…ぽぽちゃん」
泣いているせいか舌が回らない太陽。
近くにある携帯には『新着メールはありません』の文字。
彼女を失ってしまってはもう、何もする気力が出ない。
ただ、自分を抑えるように泣く太陽の嗚咽がただ広いだけのそこにこだました。
すると、ガチャと玄関の扉が開く音がした。
もしかしたら彼女かもと、淡い期待が振り返った一瞬にして砕け落ちた。
「太陽飲もうぜ、姉貴何か荒れてるんだけど何かあった?」
そこに居たのはは天葉 水仙(あまは すいせん)。
彼は蒲公英の双子の弟である。
「……変な期待持たせんなよ……」
「なんだよ?珍しく湿っぽいじゃん。……姉貴と何かあった?」
首を傾げながら嫌そうな太陽の顔を無理矢理見ようとする水仙。
初めこそは太陽も抵抗を試みたものの、あまりのしつこさにすぐ諦めて現在の状況のみを彼に伝えることにした。
「マジかよ。なぁ太陽。5年も姉貴と付き合ってたのに、なんでそんなまた急に?」
驚きつつも、冷静さだけは欠けない水仙。
だからかは分からないが、太陽は確実に水仙のペースに乗せられていた。
「実はさ……」
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