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「くしゅんっ」
季節はもう秋だった
当然夜は肌寒い
「大丈夫か?お前、家どこ?」
そう言うと男は、そこの路地を曲がった所だと言った
案外近かったんだな…
着ていたパーカーを男に羽織わせ、ソイツの家まで送ってやった
変に兄貴とのいきさつを言及することもなく、ソイツと俺の関係はここで終わったのだ
ーーーーー
「なぁ、兄貴…さっきはごめん」
そのあと、直ぐに家に帰ると風呂に入ってソファに横たわっている兄貴がいた
「ん…あぁお前か…いや、気にするな」
何だかぐったりしている
そんなに疲れていたのだろうか
「何であんなことしてたんだ?」
俺は兄貴に問いかけた
普段なら絶対しないことだったから
「……俺…アイツのこと本気で好きかも知れない…」
「え…?」
兄貴の言った言葉が信じられなかった
人を本気で好きになるなんてことは、今まであり得なかったから
「マジで言ってんの?」
「大マジだ」
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