壱※止まる刻・動き出す鼓動

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「祐希ーーー!!!」 私は叫んだんだ、 叫ぶしか出来なかった。 そして、私の目の前で祐希は死んだ。 最愛の父の姿をした者に喰われるかのように、呑み込まれた祐希。 私はこの時に、何かがひび割れる音を聴いた。 そして、私も次にはああなってしまうんだ、という恐怖と諦めが重なっていた。 だけど、私の絶望はまだ終わらなかった。 祐希を呑み込んだ異形は、ブクブクと泡をたてながらまたも形を変えていく。 そして形が形成されたとき、 ひび割れる音が、何かを叩き割った音へとかわる。 それは、壊れた私の心。 私が見据える先。 いるのは、 「祐希………」
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