壱※止まる刻・動き出す鼓動

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父と同じ、色を失った祐希。 私に優しく笑いかけている。 今までの優しい笑顔。 いつも自分と楽しく笑いあって、私に向けられていたあの笑顔は。今は私を死に導く死神の笑顔。 「ユキ……、一緒に、なろ?」 ゆっくり近付いてくる。 私はもう抵抗する気も、逃げ出す気にもならなかった。 それ程に私は、私の心は壊れていた。 「気に入らないな…」 突如声が。 私は虚ろな目でその方を見る。 そこには、私と同い年に見える男子。 右腕に包帯を巻き、目は輝く程美しい銀の瞳。 制服を着ているが、何処の学校かは分からない。 そして、月の月光に似た白髪のショートヘアー。 「何で、生きようとしない?」 その男は何故か怒っている。 「あなたに、………関係な、い。もう、………死に、たいの。」 私は虚ろな目で見つめ続ける。 涙さえ出ないその瞳は、男と対照的に輝きのない、絶望の色。 「そうか……… なら、先に、」 次に見たときには、私の目を抉る男の手。 「殺してやる。」
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