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雨は少しずつ激しくなってきていた。
変な事を思い出したので臆病になってしまい、何となく後ろが気になって振り返ってみた。
ビニール傘越しに見えるのは濡れた路面と薄汚れたガードレール。
ぼやけたお店の明かりがアスファルトに映っている。
「居るわけないじゃん……」
夢の男がいたらどうしようなんて、バカバカしいよな。
くるりと前を向き直り、再び歩きだした。
黒いランドセルが励ますようにコトコトと鳴っている。
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