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足を止めた律樹の顔は今までで一番青ざめていた。
そんな律樹を見て、
雅「お前は何歳だ!こんなものを大事に取っておかないといけないような歳じゃないだろう!そんなに自分を捨てた母親が恋しいか!」
雅はイラだったように怒鳴った。
雅は怒鳴りながら手に持っているぬいぐるみをすごい力で握っていた。
それを見て、
律「お、お父さん!そ、それだけは、それがないと僕は・・・。」
律樹がそう泣きそうなふるえる声で言いながら雅に近づいていった。
そんな律樹を見て、
悠(あれは律樹くんにとって居なくなったお母さんから贈られた大切なもの・・・もう近くに居ますよね鈴。)
悠はそう思った。
そして、
雅「何をバカなことを。そんなわがまま許すと思うな!捨てろといった物を取っていたお前が悪い!」
雅がそう言ってぬいぐるみを引きちぎろうと力をこめたのとほぼ同時に、
ガシャンッ!
悠は自分の近くにあったガラス細工のようなものを持ち、床へと思い切りたたきつけた。
『!!』
ガラスの割れた音に全員の視線が悠に向いた。
三「な、あなたは何をしているんですか!」
全員が黙ってシーンとしている中、三浦が一番初めに我に返り、悠へ詰め寄りながらそう怒りの声を出した。
それとほぼ同時に、
バタンッ!
という音と共に鈴が部屋の中に入ってきた。
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