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そして続けて、
悠「鈴、それ持ってこっちへ戻ってください。あなたが犯罪者になってどうするんですか。」
と呆れた様に言った。
それを聞いて、
鈴「・・・はぁ・・・悠、私をだましましたね。」
鈴は少し間を開けて、大きなため息を吐き、悠の所へ戻りながらそう言った。
鈴が離れたのと恐ろしいオーラが緩んだことで、
雅「くっ・・・・・・。」
雅はその場に崩れ落ちた。
そんな雅を見て、
三「だんな様!」
三浦はやっと体を動かせるようになり、慌てて雅へと駆け寄った。
雅「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。」
雅は異常なほどの汗を流し、息も上がり、呼吸するのがやっとの状態だった。
三浦はすぐにハンカチを取り出し、汗を拭きながら、
三「大丈夫ですか?」
そう声をかけた。
そんなやりとりをする雅と三浦に警戒しながら、
鈴「本当に大丈夫なんですか?」
鈴は悠に確認するように聞いた。
悠「えぇ。かすっただけですよ。血は出ていますが、そこまで心配するような怪我じゃありません。」
悠はそう言ってまきつけたハンカチから手を離した。
そして、
悠「驚かせてしまってすいません律樹くん。早々にカタをつけようと思い、ちょっと芝居をさせていただきました。」
まだ顔面蒼白のまま状況を飲み込もうと必死の律樹にそう謝罪した。
それを聞いて、
律「ゆ、悠さんほ、本当に、大丈夫、なんです、か?」
律樹は震える声で再度確認するようにそう聞き返した。
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