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雅「な、何を甘いことを!」
雅は律樹の初めてと言ってもいい言動に少し怯みながらもそう言い返した。
それを聞いて、
律「確かに甘い考えだった。父さんの声でちゃんと聞いてその事がよくわかったよ。父さんが俺の事をどう思っているのかもね。今までは『いらない』と言われるのが怖くて確認できなかったんだ。」
律樹はそこまで言ったところでふと力が抜けた様に体をふらつかせた。
そんな律樹を、
悠「大丈夫ですか?」
悠が支えながらそう心配そうに聞いた。
律「あっ、すいません。急に力が抜けてしまって。」
律樹は悠に顔を見られないように顔を下へ向け、そう謝罪の言葉を口にした。
そんな律樹を見て、
悠「もう用は済みました。外へ出ましょう。」
悠はそう言うと、
律「・・・コクッ。」
律樹は無言で頷いた。
悠「鈴、少し外へ出てきます。」
悠は鈴にそう声をかけて律樹を支えながら部屋の外へ出ようとした。
が、
雅「待て!どこへ連れて行くつもりだ!」
雅がそう言って律樹のところへ来ようとした。
そんな雅の前に、
鈴「律樹くんは私達が連れて帰ります。」
鈴が立ちはだかった。
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