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その間に悠はすばやく律樹を部屋の外へと連れ出した。
雅「くっ・・・どけ!」
雅は鈴に恐怖を感じながらそう震える声で叫んだ。
が、体はその場から動いていなかった。
鈴「どくわけがないでしょう。それに震える声、動かない体でそんなことを言われてもひとつも怖くないですよ。」
鈴は雅の様子を見て『フッ』とバカにした様に笑うと、
鈴「今の律樹くんとあなたのやり取りを見てどうしてつれて帰らないと思うんですか。それこそありえません。」
雅に冷ややかな視線を向けながら続けてそう言った。
雅「な、何を好き勝手なことを!あれは俺の子どもだ!どうしようと勝手だろう!もうほっといてくれ!」
雅は鈴のことを怖がりながらも顔を真っ赤にしてそう言い返してきた。
そんな雅を見て、
鈴(顔と体の動きが全く合っていませんね。さっきの私の行動がよっぽど恐ろしかったんですね。)
鈴が何も言い返さずそう思っていると、
ガチャッ!
悠「まだそんなことを言っているんですか。同じ事を何回言えばわかるんでしょうか。子供はあなたの人形ではないんです。一人の人間なんです。『うん。』と思ったとおりに動くロボットではないんです。どうしてそれがわからないんですか。」
ドアを開け、部屋の中に入りながら悠が怒りのこもった声でそう言った。
鈴「もう戻ってきたんですか?」
あまりに早い悠の帰りに鈴が少し驚いたようにそう聞いた。
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