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そして目を通し始めた三浦は、
三「『協力をした場合、貴殿には何も危害は加えない。』・・・。」
と声を出して問題の部分を読んだ。
そんな三浦に、
悠「そこには書かれていませんよ。最後のページの2ページ前の下のほうへ書いてありますよ。」
悠がそう声をかけた。
三浦はすぐに悠に言われたページを見た。
三「『ただし、状況によりこれまでの事項を無効にする事もありえる。』・・・こ、こんな所に・・・。」
青ざめていた顔をもっと青くして震える声でそう言葉にならないという様に言った。
悠「こういう書類は必ずきっちりと一字一句読み零しがないようにしないといけませんよ。」
鈴「一部だけ見て大丈夫だ。なんて思ったんでしょうが、それじゃあダメですよ。大企業の社長と秘書ならそれくらい分かっているでしょう。」
悠と鈴が容赦なしに雅と三浦に向けてそう言った。
すると、
雅「・・・『黒煙屋』が何をしようとしているのか分かっているのか?」
雅が悠たちに言われた言葉には何も言い返さず、うなだれていた顔を上げ、そう2人に聞いた。
悠「『黒煙屋』は腹いせをする。とは言っていましたが具体的に何をするとは言っていませんでした。」
悠がそう答えると、
雅「・・・そうか・・・。」
雅はさっきまでの態度が一変、『すべて終わった』とでも言うような絶望的なオーラを発しながらまた顔を下へと向け、弱弱しい声でそう呟いた。
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