・解放のための代償

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悠「その通りです。今、話した様に立て直せる可能性は限りなく低いです。それを承知でこれから話す条件が飲めるのならば立て直せると判断した立て直しのプロをご紹介します。」 雅の言葉に悠は頷きながらそう言った。 そして、 鈴「条件はここに書かれているものです。」 鈴がそう言って雅の前に1枚の紙を置いた。 その後、 鈴「条件1、律樹くんの親権を母親に渡すこと。   条件2、律樹くんが望むまで会うことを禁止すること。       又、人を使って周囲を探らせたり、接触することも禁止する。   条件3、養育費を月々ちゃんと支払うこと。       (金額は一定ではなく律樹くんの成長に伴うものとする。)   条件3のみ、会社の立ち直しが成功したときのみ適用のこと。」 紙に書かれている内容を鈴が簡潔に読み上げていった。 悠「以上が私達が望む条件です。何か言いたいことはありますか?」 悠が紙をじーっと見つめている雅にそう問うと、 雅「どうしても私から息子を取り上げるんだな。」 雅がそう答えた。 鈴「もちろんです。あなたが律樹くんにした仕打ちをお忘れですか?」 鈴が当たり前だというようにそう言うと、 雅「フッ・・・そうだな。律樹も私から離れられて安堵していることだろう。」 雅は自嘲の笑みを浮かべてそう言った。 そして、 雅「・・・・・・その条件を飲む。立て直しのプロとやらを紹介してくれ。」 少し考えるように間を空けた後、雅が顔を下に向けたままそう言った。
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