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それから少しして、
雅「わ、わかって、いる、自分が、変わったことに・・・。」
雅が口を開き。途切れ途切れにそう言った。
そこで一旦、自分を落ち着かせる様に深く息を吸い込み吐いた。
そして自分を落ち着かせた後、
雅「いや、最初は自分が変わってしまったことにすら気づいていなかった。でも、気づいた所で変わらずにはいられなかった。どんなに手を打とうと、とめどなく落ち続ける業績、傾く経営。もう何をどうすればいいのかわからなかった。追い詰められ、冷静さを失い、イライラばかりが募り、耐えられなくなり、律樹や社員にあたることを繰り返した。そんなことをしたいわけじゃない。そんなことをしてどうにかなるものじゃない。そうわかっていた。だが、そんな自分を止める術がなかったんだ。」
雅は何とか嗚咽を堪え、一気に弱弱しい、震える声でそう言った。
それを聞き、
悠・鈴「・・・・・・・・・。」
悠と鈴が無言で雅を見ていると、
三「だんな様・・・。」
三浦がそう言って雅に近づこうとした。
が、
悠「あなたは動かないでもらえますか。」
悠が三浦をにらみながら雅のところへ向かおうとしたのを止めた。
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