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そんな悠に、
三「そんなはずない!あいつは俺の目の前で実際にこれを使った!それは命に関わるものじゃない。ただ少し体に痺れを起こさせるだけだ!俺が逃げる時間を稼ぐために使えと言われたものだぞ!」
三浦がそう叫んだ。
その叫びに、
鈴「どうしてその目の前で使ったものとこれが同じものだと言えるんですか?まさか、その様子を見て入れ物が違うのに中身が同じだとでも思ったんですか?」
鈴は悠の持つビニール袋を指差しながらそう聞いた。
三「・・・・・・。」
鈴の言葉に無言の三浦。
そんな三浦に、
悠「あなたも相当冷静さを失っているようですね。よく考えてください。もしこれが毒で人を殺してしまうものだったら、あなたは自分がそうじゃないと思っていても殺人犯ですよ。・・・その状況を喜ぶのは誰だと思いますか?」
悠がそう言うと、
三「・・・喜ぶ・・・。」
三浦は視線を悠へと向けたままそう呟いた。
そして、
雅「・・・『黒煙屋』か。」
今まで黙って3人のやりとりを聞いていた雅がそう言った。
それに、
三「!!」
三浦は驚き、雅の方へ視線を向けた。
悠「その通りです。もしあなたが殺人犯になったら、もろもろの事をすべてあなたのせいにできる。責任をすべてあなたに押し付けるつもりなんでしょう。依頼の失敗というのはその事が決まってから行動するのでは遅いですからね。もしもの時の事を計算してこれをあなたに渡しておいたんでしょう。」
雅の答えに頷き、悠が三浦に分かるように説明した。
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