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すると、
雅「そんなバカな!?その人のことは俺でも知っている。立て直しを生業としているのももちろん知っている。・・・それに掛かる費用もだ。とてもじゃないが払えない。」
雅がそう反論してきた。
悠「あなたが聞いたその話はそこそこ経営が落ち込んでいる会社を立て直した時の話でしょう。」
雅の反論に淡々とそう言った悠。
雅「あ、あれはそこそこじゃないと思ったが。」
悠の態度に雅は拍子抜けしたようにそう言った。
悠「けれど今のあなたの会社に比べたらそこそこでしょう?」
雅「そ、それはそうだが。というよりもうちみたいにどうしようもないような会社なんてあまりないだろう。」
悠の問いに雅はそう答えた。
悠「そう。そこなんですよ。」
雅「そこ?」
悠「えぇ。この月見さんという方はですね、スリルを求めているらしいんです。」
雅「スリル?」
雅は悠の言っている意味がわからず、言葉を繰り返した。
そんな雅に、
悠「えぇ。もう立て直しなんて絶対に不可能だ。と、言われている会社を立て直すスリル感がたまらないらしんです。不可能だと言われれば言われるほど『燃える』らしいんですよ。」
悠は冬慈に渡されていたメモの中に書かれている月見の情報を見ながら説明した。
が、
雅「それは・・・『燃える』というのはわかった。だが、それとお金がどう関係あるんだ?」
悠の説明を聞いても、雅の中ではまだピンときていなかった。
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