・今後について 

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その雅の問いに、 悠「私達は『納得屋』です。依頼者が納得できないことを納得できるように解決すること。依頼者にとって1番良い形で依頼を終わらせることが仕事です。・・・あなたは自分のためにどうしてここまでしてくれるのかと思っているのでしょう?」 悠はメモから目を離すことなく答え、雅が今まさに思っているであろう事を言った。 雅「そうだ。」 悠の問いに頷く雅。 悠「さっきも言ったと思いますけど、あなたのためにこんなに色々としているわけじゃありません。私達が動いているのはあくまで律樹くんのためです。」 悠はそこまで言った後、顔を上げ、 悠「ここであなたを見捨てるのは私達にとって非常に簡単ですし、そうするべきなのかもしれません。が、そうすると律樹くんが自分を責めるでしょうからね。それは容易に想像がつくでしょう。」 と言った。 その悠の顔を見て、 雅「・・・・・・そうだな。」 悠の言った『見捨てる』という部分を言ったときの悠の視線に雅は背中に冷や汗を流しながらそう言った。 それを聞き、 悠「律樹くんがくれたこのチャンスをつぶさないでくださいね。律樹くんの事、会社の事、後悔してもらわなければ困りますが、後悔をずっと引きずって失敗しないようにしてくださいよ。いつか律樹くんが会いにきた時に胸をはって会えるようにしっかりやってください。」 悠は雅を見たままそう言った。 その悠の顔には『まぁ、失敗など絶対に許されないですけどね。』と書かれていた。
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