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そんな雅を見て、
悠(この調子なら大丈夫ですかね。あとは月見という人のスパルタに耐え、最後までやり遂げられるか・・・いや、するでしょう。それにそこらへんは先生がうまくサポートしていくと言っていましたしね。)
悠は心の中でそう思いながら、
悠「今の言葉は律樹くんへと聞かせておきます。そうすれば律樹くんが自分を責めることはないでしょう。では、私はこれで失礼させていただきます。」
そう言ってカバンを持ち、立ち上がった。
雅「待て。聞かせるとはどういうことだ?」
悠の言葉に引っかかりを覚えた雅がそう出て行こうとする悠を呼び止めた。
悠「そのままの意味ですよ。」
悠はそう言ってポケットからボイスレコーダーを出すとそれを見せた。
雅「・・・そういうことか。」
雅は一瞬驚きで目を見開いたものの、すぐにそう言った。
悠「そういうことです。あっ、見送りは結構です。玄関は分かっていますから。それよりも色々な事がありすぎて頭がごちゃごちゃになっているはずですから休みながら整理して、整理出来次第すぐに動いてください。」
悠はニヤリと笑ってそう言った後、部屋のドアへと向かった。
そしてドアノブへ手をかけたところで、雅の方を向き、
悠「律樹くんが望む幼い頃の家族に戻れるよう祈っています。これ以上律樹くんを悲しませることを今のあなたはしないと信じていますよ。」
最後の最後にそう声をかけ、部屋を出た。
部屋を出る際、
雅「・・・・・・色々とありがとう。」
という涙声の雅の声を聞こえてきた。
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