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光希の励ましを受け、律樹も絢子に向かって歩き出した。
そして互いに手の届く位置へ来ると2人は足を止めた。
が、
律・絢『・・・・・・・・・。』
2人も言葉を発しようにも何をどう話を切り出したら良いのかという様に口を開いては閉じてを少しの間繰り返した。
絢「・・・律樹・・・こんなに、大きくなったの・・・ね。」
ようやく声をかけたのは絢子だった。
その声は涙声で途切れ途切れになってしまったが顔には笑みを浮かべていた。
それに対し、
律「・・・う、うん・・・。」
頷くのが精一杯の律樹。
頷いた後、律樹の目からは耐えられなくなった涙がこぼれ始めた。
そんな律樹を見て、
絢「ご、ごめんね律樹。本当に本当にごめんなさい。」
絢子は自分よりも少し背の高くなった律樹を恐る恐る抱きしめ、そう謝罪を繰り返した。
その抱擁と謝罪に、
律「うっ・・・ぐっ・・・う・・・。」
律樹はとうとう嗚咽を堪えることができなくなった。
そして、
律「ず・・・ずっ・・・とあ・・・会いたかった。」
と声を絞りだすように言った。
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