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そんな悠に、
鈴「悠。」
と鈴に声をかけられた。
その鈴の声が『さっさと電話しろ』と訴えていたため、渋々重い手を動かし冬慈に電話をかけた悠。
悠(・・・出てくれないと困ります。が、正直言うと出てほしくない。)
発信音が聞こえている間、そう祈っていた悠だったがその祈りむなしく、
冬『何だ?』
すぐに冬慈が電話に出た。
悠「お、おはようございます。」
悠は思っていたよりも早く冬慈が出たことにびっくりし、詰まりながらそう言った。
が、
冬『そんな挨拶はいらん。で、何かあったのか?』
そんな悠にかまうことなく、早く用件を言うよう促す冬慈。
悠(あぁ、もうごまかせない。腹をくくるしかない!)
悠はそう覚悟を決め、
悠「あの実は・・・・・・。」
悠は今あったやり取りをそのまま冬慈に伝えた。
伝え終わると、
冬『・・・・・・・・・。』
冬慈は無言だったが、電話越しでも怒っているのがわかった。
そんな冬慈に、
悠「あの先生?」
悠がおそるおそるそう聞くと、
冬『はぁ・・・帰ったら2日、いや3日は帰れないと思っておけ。で、金額だが10万だ。それがもらえる限度額だと山里を納得させろ。もしできなかったら・・・言わなくても分かるな。』
と言って悠の返事を聞くことなく電話を切った。
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