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それに対し、
冬「当たり前だ。あいつの名前の書いてある資料は自分がした仕事だからと全部持っていったからな。何も残ってないはずだ。」
冬慈は当たり前だというようにそう言った。
槙「なるほど、それでないんですね。って、それよりも2人で開いたってどういう事ですか?」
槙は冬慈の言葉に頷いた後、『違う違う』と首を横に振ってそう聞いた。
冬「どういう事と言ってもそのままだ。2人で『納得屋』を始めたんだ。もともと同じような事をしたいと言っていたからな。1人でやるよりも楽かと思ってな。」
冬慈は槙の問いに淡々とそう答えた。
識「何か2人の間にあったってことは聞かなくてもわかりますけど、何故今は先生1人になんですか?」
冬「何かというよりも長年やっているとな意見の食い違いが出てくるもんなんだよ。それを互いに譲れなかっただけの話さ。」
当時の事を思い出しているのか『フッ』と笑いながら冬慈は答えた。
槙「食い違い・・・どんな意見で食い違ったんですか?」
冬「『納得屋』が絶対に受けない、しないことは何だ?」
冬慈は槙の問いにそう問い返した。
その問いに、
槙・識『人を殺すことです。』
と槙と識はすぐに同時に答えた。
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