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黒「・・・何で分かってたんだ、情報は絶対に漏れないようにしてたんだけどな。」
黒堂は少し考えた後、そう冬慈に聞いた。
冬「あいつが『納得屋』をやめた後、『黒煙屋』を開いたのは知っていた。どんな仕事をしているのかもだいたい耳に入ってきていた。だから、それらが入ってこなくなった・・・というよりもやり方が違うのに気付いたんだ。途中からお前に代わったからだろうな。」
冬慈は黒堂の問いに淡々とそう答えた。
黒「なるほどね。あの頃は今と違って親父のやり方に従ってやってたんだけどな。やっぱり長年の相棒は騙せないか。」
黒堂は『ククク』と笑った。
冬「当たり前だ。で、あいつからの伝言って言うのは何だ?」
黒「あぁ、そうだったな。」
冬慈の言葉に黒堂は自分が何の話をしていたのか思い出した。
黒「親父が死ぬ前に自分が死んだ後、あんたに会うことがあったら伝えてくれといわれていたんだ。」
黒堂はそこで一旦言葉を切り、ポケットから一枚の紙切れを取り出し、
黒「『悔しいがお前の言うとおりだったよ冬慈。が、『納得屋』をやめて『黒煙屋』を開いたことは全く後悔していない。俺は先に逝くが、寂しいからといって早々に追いかけてくるなよ。じゃあな。』ってな。」
と、紙に書いてあった事を読んだ。
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