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ー放課後ー
部長
「風が…騒がしいな」
ボク
「寒いので窓閉めていただけませか(切実)?」
現在放課後の生徒会室には夕焼けが眩しいほどに差し込んできている。その照らされている部屋には部長とボクの二人だけだ。
季節は10月の終わりだというのに、部長は窓を全開にして、大気が震えているのか?と空へと手を伸ばす。
そんな部長をボクは遠い目で見つめる。
そして納得する。
あぁこれがきっと彼の選んだ道なんだ…と!
部長
「なにを黄昏(たそがれ)ている?」
部長の方へとボクが顔を向けると、部長はぷいっと外へと顔を背けた。
部長
「お前には妙な気を感じる…」
ボク
「嘘だっ!!というか部長の方が確実に14歳のただならぬオーラを感じますよ!」
部長
「そうか?俺のオーラが、そして力が分かるのか?ならば教えてやろう。俺は幼い頃、雷に打たれて以来、普通の【人間】ではいられなくなってしまったのだ。意味が分かるか?」
ボク
「はい、全く分かりません」
部長
「ふ…。やはりお前もその程度の【人間】…か」
部長は激しく震える右手を左手で隠すように押さえている。
というかむしろ、こっちに見えるようにやってないか?
チラッチラッ。
うわー!めっちゃチラッチラッ見てるしw
その時、急に部長は手袋をはめ始めた。もちろん右手に。手袋の色は、鬼の手を持っている人のような黒いろで、見るからに痛i…いや、かっこいいオーラが漂っていた。
部長は右手を黒い手袋で完全に覆うと、そのまま俺の真横まで歩いてきた。
ボクは部長へと体を向ける。
な、なんだ?
部長は口を開く。
そして黒い手袋を今度は外しながら言った。
部長
「お前には見せよう…。この血塗られた右手を…」
ボク
「さっきから見てましたよ!!なに、お前には見せてやろう的な雰囲気を出してw」
部長
「手袋を着けているのを忘れてしまったのだ」
ボク
「素直かw」
その後部活が終わるまで部長は
決して手袋を外しませんでした。
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