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その子は突然 走り出した。
涼しい秋の風が首の隙間を吹き抜けた。
「メランコリー!!」
すぐに追いかけて走るがなかなか追い付けない。
取り巻きを引き連れたチアのユニフォーム。
メランコリーはシェイラを弾き飛ばした。
――なんて力強い走りなんだ!
脇目も振らず校門を抜けて凄いスピードで人波を駆けていく。
僕は追い掛ける。
教師も追い掛ける。
シェイラも鬼の形相で追い掛けるがしかし、誰もついてゆけない。
小さくなっていく後ろ姿から何かが ほとばしっている。
その顔は ゙闘志゙という言葉がはまりすぎるくらい はまっていた。
こうなっては もはや誰にも止められない。
走りながら僕は力の限り叫んだ。
「がんばれー!
がんばれメランコリー!!」
人が振り返って見るがそんなの知ったこっちゃない。
メランコリーのブロンドヘアーが夕陽に照らされ輝いている―…!
僕は、僕だけは全力で君の味方だ!
どこまでも走って行くメランコリー。
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