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フフフ…。遂に退屈な普通の世界から解き放たれ、魔法、剣、銃、美少女ありの世界に異世界転生だあぁぁぁ。
とそんなことを考えていると顔のニヤケが止まらなく…。んン、顔の表情が作れない!? いや、待て顔の部位を動かすことができない。
とりあえず声?みたいなのがだせるらしい。
「あー、テステス、本日は快晴ナリ、本日は快晴ナリ。」とふざけていると。
俺の頭の隅?俺のすぐ隣りから「うるせぇな。」と声が聞こえる。
明らかに俺の声じゃない。だれかの声だ。
ここで働く俺の妄想スイッチ。
お神さんは俺の体にもう一つの魂を目覚めさせたのではないかと、だがこの淡い期待は直ぐに切られるのであった。
モゾモゾ(ベッドから起き上がる音)
ぺたぺた(フローリングの床を歩く音)
そして、今俺の前にスラリとしたキレイな足があります。それ以上上が見えません。
かりポリかり(多分頭と腹をかいてる音)
ふぁあ?あ(大きい欠伸)
「お前かさっきからテステスいってる奴は」起きたばかりの緊張感のない声でいう。
しかたないので自己紹介
「死んで哀れにおもったお神さん(メンドクサイから異世界に飛ばしたのだろう。)が異世界転生させてくれたんだ。」
「ふぅ?ん。刀に転生させてくれたんだ。」
ここでまさかの爆弾発言。
「ちょ…えっ!?俺レイモンド・キッドに転生する予定だったんだけど。」
「キッドは、俺。お前は刀。はい終わり。」
ここにきてようやく目がさめたのだらう。さっきと違いハキハキしてきた。
まだ信じられない俺は、その言葉を受け入れずにいた。
証拠を見してやるというばかりに刀(俺)を持ってご丁寧にも鏡の前まで行ってくれた。
確かに隣にいるのはお神さんに見して貰った写真とまるっきり同じの美青年。一方刀の俺は古びた日本刀って感じを醸し出している。
俺は叫びたい。生身の体を持っているならこう叫ぶだろう。
「どこが王道で始まっいるんだ!!? 俺の状態は転生じゃなくて憑依じゃねーか」
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