1 魔力のない俺は学園でトラブルに巻き込まれる

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彼女が一体なんの為にそんなことをしたのかは解らない。 仲が悪い、とまではいかないが、相性が少し悪いのだろう、そんな風に思っていた。 だが、違っていて、学は彼女と対等ではなく、上下関係がはっきりしている。 ならば、俺がなんとかするしかないじゃないか。 そしてそれはきっと、善意とか、感謝、とかではない。 ただ、するしかない。 それだけだ。 「だから学、もう無理をーー」 「違う……。違う。違うッ!! 僕は好きで貴方と居るんだッ!! 最初からだッ!! あの女が僕を利用したんじゃあない、僕があの女を利用したんだッ!!」 学を俺の言葉を遮り、興奮したのか、椅子を倒す様に立ち上がり、そう吐き捨てた。 どんな想いで学は此処に居るのか、俺にはわからない。 だけど、俺がこれからなにをすべきか、くらいは解っているつもりだ。 「そうか、解った」 「解ってない、解ってないよ、貴方は、本質を理解していない。」
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