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こうして、落ちこぼれで卑怯者と呼ばれる俺に優しくしてくれるのは。
学を一瞥すると、満面の笑みを浮かべて弁当のオカズである野菜炒めを口に運んでいた。
本当に可愛いな、こいつは。
たまに凄まじく豹変することがあるけれど。
それ以外は完璧に近いな本当に。
そんな奴を、一時的でも友人と呼べるのは凄く嬉しい。
俺は知っている。
罰ゲームで無理矢理友人ごっこをさせられているということに。
ーーだから。
「……学。お前に言っておきたいことがある」
俺は箸を弁当箱の端に置き、学に話し掛ける。
「……殿? どうしたんですか? 話しとは?」
「今まで本当にありがとう。俺みたいな奴と連んでくれて本当に感謝している。屈辱的だっただろう。だからもう無理するな。」
そろそろ決着を付けなければならない。
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