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「え~……アカギさん。 アカギアオさ~ん」
信号機のような自分の名前を呼ばれ、俺は受付へと向かう。
「え~、アカギさん? この用紙持って契約室で係の者に渡して下さい」
「契約室?」
「そこのドア出て右の突き当たりの階段を上がって奥から二番目のドアです」
「あん? 何だって?」
「え~………エドワードさ~ん。エドワード セルゲバさ~ん」
おい。無視すんなババア。聞き返してんだろが。
たくっ、どこの世界も公務員ってやつは。
「おいこら、契約室ってのは…」
言おうとして、周りが暗くなった。
そして、後ろに気配が。
あぁ、あなたの影ですか。
エドワードさんでしたっけ?
「邪魔だクソガキ」
「ハイ!」
俺は出来るだけいい返事をして、そそくさとその場を離れた。九死に一生の安堵感がこの身を震わせる。
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