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「ありがとう、恍。部屋まで案内してくれて。」
「ううん。明日からよろしくね。」
そう言って、恍は部屋に戻って行った。そして今、俺は部屋にどうやって入ろうか迷っている。何せ不良だからな。やっぱ怖いじゃん?え?克己と颯馬も不良だろって?
いやー、あいつらは全然不良って感じしないんだよ。見た目不良なんだけどな?素直ってゆーか、可愛いってゆーか…。うん。
やっべー。心臓バクバクやー!もういい。ここはノリで入ってしまえ。
意を決して中に入る。入った。入ったんだけど、かなりシーン…となっている。居ないのかな。ま、いいや。奥の広いリビングに行くと、その横にある扉が開く音がした。その方に振り向くと。
「誰だお前…」
そこには厳つい顔をしたイケメン君が立っていた。
自然と崩された茶髪に、茶色の瞳。だが、見るからに不良だ……。
「俺は、今日転校してきて、君の同室者の鬼城 楪。」
「あ…そう。俺、佐土 憲斗(サド ケント)。あんたの部屋向かいだから。」
それだけ言って自分の部屋に入った憲斗。人になつかないというのは…本当なのだろうか。
面倒だし、いっか。
早く荷ほどきするか。
そして俺も部屋に入った。あ、あの2人に電話すんの忘れてた。
プル…
『はいっ!もしもし!』
出んの早っ!!まだ呼びコール二秒くらいしか経ってねーよ!皆さん分かってると思うけど、電話の相手は颯馬です。
「あ…もしもし?ついさっき着いたけど?」
ほんとは大分前にだけど。まあいいさ。
『まだ何も起きてない!?間違いとか、襲われたりとかキスとか!』
「お前いっぺん黙れ。んな事あってたまるか。」
『ふぅー。良かった…』
「…てのは嘘で、ちょっとだけ危ないのあったな。」
『な…んだって!?……そいつ殺す』
うぉい!物騒な事言うなよ!颯馬の低音な声だと本気に聞こえんだよ!
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