1話

18/22
1660人が本棚に入れています
本棚に追加
/284ページ
「ありがとう、恍。部屋まで案内してくれて。」 「ううん。明日からよろしくね。」 そう言って、恍は部屋に戻って行った。そして今、俺は部屋にどうやって入ろうか迷っている。何せ不良だからな。やっぱ怖いじゃん?え?克己と颯馬も不良だろって? いやー、あいつらは全然不良って感じしないんだよ。見た目不良なんだけどな?素直ってゆーか、可愛いってゆーか…。うん。 やっべー。心臓バクバクやー!もういい。ここはノリで入ってしまえ。 意を決して中に入る。入った。入ったんだけど、かなりシーン…となっている。居ないのかな。ま、いいや。奥の広いリビングに行くと、その横にある扉が開く音がした。その方に振り向くと。 「誰だお前…」 そこには厳つい顔をしたイケメン君が立っていた。 自然と崩された茶髪に、茶色の瞳。だが、見るからに不良だ……。 「俺は、今日転校してきて、君の同室者の鬼城 楪。」 「あ…そう。俺、佐土 憲斗(サド ケント)。あんたの部屋向かいだから。」 それだけ言って自分の部屋に入った憲斗。人になつかないというのは…本当なのだろうか。 面倒だし、いっか。 早く荷ほどきするか。 そして俺も部屋に入った。あ、あの2人に電話すんの忘れてた。 プル… 『はいっ!もしもし!』 出んの早っ!!まだ呼びコール二秒くらいしか経ってねーよ!皆さん分かってると思うけど、電話の相手は颯馬です。 「あ…もしもし?ついさっき着いたけど?」 ほんとは大分前にだけど。まあいいさ。 『まだ何も起きてない!?間違いとか、襲われたりとかキスとか!』 「お前いっぺん黙れ。んな事あってたまるか。」 『ふぅー。良かった…』 「…てのは嘘で、ちょっとだけ危ないのあったな。」 『な…んだって!?……そいつ殺す』 うぉい!物騒な事言うなよ!颯馬の低音な声だと本気に聞こえんだよ! .
/284ページ

最初のコメントを投稿しよう!