1話

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『楪ちん~…』 「なぁ、颯馬。前髪やっぱ邪魔だから切っていいか?」 『だめっ!切っちゃだめ!そのまま平凡でいて!』 おい、何だその言いぐさは。妙に傷付くだろ…! 「分かったよ…だから怒鳴るな。」 『楪ちん、気を付けてよー?男子校は獣の宝庫なんだからねー!』 「は?獣の宝庫だったらヤバイじゃねーか。日本語出直せ。」 『え?ま、いーや…って…ちょ……!』 何やら電話の向こうでごたごたしてるらしい。代われだの、やだ、だの聞こえてくる。 『楪!大丈夫か!?』 「またか…。ノープロブレム!あと、しつこい。」 『なら良かった。『克己ちんひどーい…』てゆうか、何で颯馬に電話して俺に電話してこないんだ?』 は?今度はそれ?何だよ2人して……。 「いーじゃん、別に。颯馬の携番の方が簡単だっただけだし。」 『ほんとか?』 「ほんとだよ。」 『そっか。あと、それとな?炯椋に“黒王”のメンバーがいるらしい。』 「……はっ?黒王…!?」 『ああ。総長から幹部まで、勢揃いって噂だ。』 おいおい…嘘だろ…?何で黒王の奴等が……。ここらの族の中でも最強に近いほど強いと言われている、族のグループ。黒王の総長は無敵に等しいらしく黒王は有名なのだ。 『そっちにも気を付けろよ!』 「元を辿ればお前らが喧嘩売ったのが原因じゃないのか……?」 元気を無くし項垂れる楪。この先の事を考えると…生きた心地はしない。 『まあ…それもあるけど、楪もちょっとは…』 「……確かに。俺がキレて黒王の総長をボコったのもいけなかった…のかもしれない……」 .
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