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『楪ちん~…』
「なぁ、颯馬。前髪やっぱ邪魔だから切っていいか?」
『だめっ!切っちゃだめ!そのまま平凡でいて!』
おい、何だその言いぐさは。妙に傷付くだろ…!
「分かったよ…だから怒鳴るな。」
『楪ちん、気を付けてよー?男子校は獣の宝庫なんだからねー!』
「は?獣の宝庫だったらヤバイじゃねーか。日本語出直せ。」
『え?ま、いーや…って…ちょ……!』
何やら電話の向こうでごたごたしてるらしい。代われだの、やだ、だの聞こえてくる。
『楪!大丈夫か!?』
「またか…。ノープロブレム!あと、しつこい。」
『なら良かった。『克己ちんひどーい…』てゆうか、何で颯馬に電話して俺に電話してこないんだ?』
は?今度はそれ?何だよ2人して……。
「いーじゃん、別に。颯馬の携番の方が簡単だっただけだし。」
『ほんとか?』
「ほんとだよ。」
『そっか。あと、それとな?炯椋に“黒王”のメンバーがいるらしい。』
「……はっ?黒王…!?」
『ああ。総長から幹部まで、勢揃いって噂だ。』
おいおい…嘘だろ…?何で黒王の奴等が……。ここらの族の中でも最強に近いほど強いと言われている、族のグループ。黒王の総長は無敵に等しいらしく黒王は有名なのだ。
『そっちにも気を付けろよ!』
「元を辿ればお前らが喧嘩売ったのが原因じゃないのか……?」
元気を無くし項垂れる楪。この先の事を考えると…生きた心地はしない。
『まあ…それもあるけど、楪もちょっとは…』
「……確かに。俺がキレて黒王の総長をボコったのもいけなかった…のかもしれない……」
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