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縁とは何がきっかけになるかわからないものである。
俺と奥平さんとの橋渡しは一本の割り箸…
あまり素敵な一品ではないが、こんな頼りないものだって、気がつけば立派な橋になっているんだから、人生とはわからないものだ。
奥平さんと何故気が合ったのか不思議だが、気がついた時には、俺のことを“テル”と呼ぶ程の、周りの目が俺達二人をセットとして見てくれるような、そんな仲のよい先輩後輩の関係になっていた。
二人の間がグッと近づいたのは、他の社員に比べ奥平さんが俺と一緒で弁当が多かったこと。
これが1つの要因だと思う。
いつも弁当…
同じ弁当だけど、違いは見た目も味も完璧な愛情溢れる愛妻弁当と、普通ぅのコンビニ弁当なんだよな。
奥平さんはいつも美味しそうに完食し、小さな声で『ごちそうさま』と手を合わせている。
何て言うか、当たり前のことなのかしれないけど、さりげないこう言う旦那様…ちょっと羨ましいなあ。
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