帰途

2/3
前へ
/258ページ
次へ
イズミと村上はあれから教習どころでなく、毎日警察と話すはめになった。 捜査が一段落し、一部の従業員以外は島を出る事になった。 イズミ達も島を出る事になった。 引き上げる客が大勢乗って、船はとても混んでいる。 教習の続きは本土で受ける事にし、船の免許は一旦諦めた。 張り切ってきたのでガッカリだ。 イズミは言った。 「当分休業するようだし、仕方がないか。合計六人が亡くなったあの島で、しかも犯人は従業員だし、これから客は減る一方だろうね」 事件が解決すればいいというものではない。 村上はぼやいた。 「船の免許は地元のマリーナへ行って取るしかないな」 「え?近所で取れるのか?」 「ああ。でも教官達は俺をガキの頃からよく知っている人達ばかりだから、嫌だったんだよね」 村上は我儘な坊っちゃんだ。
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!

204人が本棚に入れています
本棚に追加