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『やめっ…触るな……っ』
ぞっとして逃れようとしたとき、不意に伸びた逞しい腕が男の腕を捻り上げた。
「痛ぇ……」
間近に響いた悲鳴に、亮二はぎこちない動きで視線を上げた。
悲鳴を上げ、男が大きく仰け反る。
なにが、起きたのか。
見開いた視界で、男が青年によって腕を掴まれ、顔を歪ませていた。
「なにしやがるっ」
「嫌がっているじゃありませんか」
苦痛に訴える男に頓着せず、青年は無慈悲に掴んだ腕に力を込めた。
「痛ぇ、お、折れる、離しやがれ!」
力任せに青年の腕を振り払うと、男は青年を睨みつけた。
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