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「なぁ、龍海。今度の晩餐会、一緒に出席してくれないか?」
突然の藤堂の申し出に、亮二が驚きの声を上げる。
『は!?』
「晩餐会なんてものは正直、行きたくないんだ。だが、行かないと後々面倒なことが起きるからな。龍海と一緒なら、つまらない晩餐会も楽しめると思うんだ」
『でも…』
亮二は口ごもってしまった。
自分は元男娼で、彼は名家の当主。
身請けしたとは言え、自分には身分がない。
藤堂と暮らし始めて、約一年…。
男娼から足を洗ったとしても、世間からは冷たい目で見られることもあったし、自分のせいで藤堂が言われようもない差別を受ける事もあった。
男娼と名家の当主の身分違いは、埋めようにも埋めることは出来ない。
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