因縁の始まり

24/25
1317人が本棚に入れています
本棚に追加
/414ページ
「なぁ、龍海。今度の晩餐会、一緒に出席してくれないか?」 突然の藤堂の申し出に、亮二が驚きの声を上げる。 『は!?』 「晩餐会なんてものは正直、行きたくないんだ。だが、行かないと後々面倒なことが起きるからな。龍海と一緒なら、つまらない晩餐会も楽しめると思うんだ」 『でも…』 亮二は口ごもってしまった。 自分は元男娼で、彼は名家の当主。 身請けしたとは言え、自分には身分がない。 藤堂と暮らし始めて、約一年…。 男娼から足を洗ったとしても、世間からは冷たい目で見られることもあったし、自分のせいで藤堂が言われようもない差別を受ける事もあった。 男娼と名家の当主の身分違いは、埋めようにも埋めることは出来ない。  
/414ページ

最初のコメントを投稿しよう!