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亮二は胸の奥にある漠然とした不安を埋めるように、藤堂の傍にいることが増えた。
「お願いだ、龍海」
藤堂は亮二を抱きしめると、懇願するように耳元で囁いてきた。
亮二が意外と押しに弱いことを、藤堂は経験から知っていた。
もう一押しと、藤堂は亮二の耳元で囁く。
「どうしてもダメか?」
『わ、解ったから、耳元で囁くな』
「ありがとな。早速、準備をしないとな」
藤堂は亮二の髪に口吻けを落とすと、自室へと戻って行ったのだった。
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