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「珍しいね、零が晩餐会に出席するなんて。誘ってもいつもは渋るくせに。亮二が一緒なら出席するんだね」
「うるさいぞ、榊」
「お~怖い怖い。助けて、亮二♪」
藤堂の怒気を孕んだ声音に、晃はとっさに亮二の後ろに隠れた。
藤堂と晃に板挟みにされ、亮二は困惑する。
(俺を挟んでケンカすんなよな…)
「まぁ、冗談はさておき。零に話があるんだ。亮二、零をちょっと借りるけどイイ?」
『あぁ』
「榊、何だよ話って」
「ちょっと……」
晃がそっと耳打ちをすると、藤堂が眉を潜めた。
「龍海、ここを動くなよ」
藤堂に念を押され、亮が大人しく頷いてみせる。
素直な亮二の様子に、藤堂は僅かに目を笑わせ、すぐに晃を連れて壁際に身を寄せ、話し始めた。
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