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「ちなみに、ランクが上であればあるほどに、支給される金額は上がるそうです」
「どうやって、上げる?」
「ランクですか? それは勿論、功績を上がる、つまりは戦闘訓練で勝つ、ですかね」
「ほら」と静が自分の生徒手帳のランクを指差す。
一等兵、って書いてある。
「初めは二等兵からなんですが、僕もさっき気付いたら一等兵に上がってましたね」
「静、勝った……の? ……すごい」
「僕の場合は、ずる賢いだけですが、やっくんに誉められるのは気分が上昇しますねー。二等兵から一等兵は、僕の場合同ランクを5人に勝った程度でしょうか」
「倒す相手のランクによって、功績の入り方が変わりますからね」と続ける静に、頷く。
強い人、倒した方が、いっぱい貰えそう。
そう、思う。
「やっくんも、先程勝ちましたけどね」
「勝った……俺が? 何で?」
「では、次は戦闘訓練のルールについて教えてあげないといけませんね」
「うん……教えて?」
「勿論」
静は笑うと、モニターをスライドさせて、画面を切り換えてく。
おぉハイテク……
「このページですねー。えーと、戦闘訓練は生徒のうんたらかんたら、な建前は省くとして。まずは、訓練は午後の授業、2時間分の授業時間、90分+休憩時間10分、つまり100分設けられています」
「そんなに……?」
「ちなみに。ただ生徒同士の戦闘を闇雲にする、だけでもありません。戦闘指導担当の教師が格技場にいるので、必要な方はそちらである程度戦闘の仕方を学ぶことが出来るそうですよ」
校内の見取り図を出した静が、モニターの緑色の一角を突く。
「格技場ですよ」と笑う静に、でもたどり着けなさそう。適当に、頷いた。
「訓練禁止区域、戦っちゃいけない場所があります。各教室、格技場、保健室、寮。この4区域です」
「うん」
「もし訓練に参加したくない、出来ない状態である場合は、そこに避難しておきましょうねー」
「今、が……そう?」
「はーい、正解でーす」
教室。中にいると、危なくない。そう言うこと。
「休んでも良いですが、ランク上げも出来ないですから、二等兵のままだとすぐに金欠になりますけど」
そっか……
お金、いる。だから、戦う。
ちゃんと出来てる。
嫌な、連鎖。
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