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『はいはい、そろそろ休憩終わってくださいッスー。と言うか出てる人以外休む意味なくねーッスよね』
ニット帽さんのアナウンスでみんな、リング周りに集まる。
後ろでお兄ちゃんが「それなー」って笑って、俺の背中押した。
「んじゃ、行きますかハチ」
「うん……お兄ちゃん」
「はいはーい、オレがハチのお兄ちゃんだぞー、んーどしたのかにゃー抱っこして欲しーって?」
「ケーマ、居ないよ」
「おっ」
「! 本当じゃ、何処行きよった、あのアホ!」
ユキさんが辺りを見渡すけどお兄ちゃん、ニッて笑ったまま俺の背中押して、一緒にリングの上に上がる。
「ヘェイ、トゥーゴー! アッテンションプリーズ!」
『ヘイヘーイまさやん、どーしたんスか?』
「それがけーたんばっくれちまって居なくなっちまったもんでハチと雪Gテンパっちまってもー大変! メンバー欠員の場合のルール説明カモンッ!」
『リョーカイリョーカイ、今委員長チームも一人体調不良で欠員出たからちょーどいっすねー!』
お兄ちゃんに答えるニット帽さんの言葉、と同時に、反対側にりょーすけ先輩とマルコ、であるさんが上がってきた。
りょーすけ先輩と目が合うと、にこって微笑まれて、何だか恥ずかしくて俯く。
「3対3なら数も合う……が、確か登録したメンバーの数だけ揃っていれば入れ換え可能だったな?」
『あー委員長そーやって人の説明横取りするッスよねー。そう、まさやんも委員長んとこも4人ずつで登録したから4人居ねーとこの試合はこのまま流れてどっちも敗退、もひとつの準決で勝ったとこが優勝ってことはつまりマノマノが優勝ってことになるッスね』
マノマノ……?
真野さん、かな……
『ついでに、他のチームのメンバーだった生徒は入れ換え不可。例えば委員長んとこにシッシー入れたらその瞬間反則負けになるッス』
「妙に具体的だな」
『不戦敗して暇そうにしてたッスからねー。簡単に言やぁ、団体に出てない生徒なら誰でも入れても可。ただし、入れ換えは1回だけッス。さー、説明終了、まさやんも委員長も早くメンバー補給してくださいッスね!』
メンバー入れ換え、補給……何か色々あるんだ。
多分特殊、なのかな?
それにしてもケーマ、何処に行ったのかな……って思ってたら視界の隅でお兄ちゃんがニッて笑った。
いつもみたい、じゃなくて、イタズラが成功したみたいな、笑い方で。
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